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ハラル製品ー対応マニュアル 商品企画から認証マーク、製造、管理、販売まで

並河良一著

出版年月2019年8月20日

ISBNコード978-4-909560-31-5

本体価格2,800円

A5判

頁数・縦310頁

 

著者紹介

並河良一(なみかわ りょういち)

著者は、産業経済の研究者である。対象分野は幅広く、工業経済、農業経済、エネルギー経済、国際経済・海外市場開発(東南アジア、オーストラリア、イスラム諸国)に及ぶ。とくにイスラム市場開発=ハラル製品・ハラル市場については、造詣が深い。

著者は、京都大学農学部、同大学院で食品工学を専攻。通商産業省(現・経済産業省)に入省し、基礎産業局、資源エネルギー庁などで政策立案を担当し、JETRO(日本貿易振興機構)において、インドネシア、オーストラリアに駐在した。その後、名古屋大学、岩手県立大学、中京大学などの教授として実証研究を行ってきた。農学博士(京都大学)。

主な著書には、「ハラル食品 マーケットの手引」(日本食糧新聞社)、「ハラル認証実務プロセスと業界展望」(シーエムシー出版)、「資源エネルギー政策をめぐる日豪関係」(日本経済評論社)、Take-or-Pay under Japanese Energy Policy, Energy Policy(Elsevier)がある。

読んでいただきたい方

⑴ 食品・化粧品・医薬品・化学品・家庭用品企業の企画・開発・海外営業の担当者

⑵ 商社の食品・化学部門の担当者

⑶ 農業・畜産業の関係者

⑷ 海外市場を目指す中小食品企業の経営者

⑸ 自治体の商工・農水・国際部門の担当者

⑹ 国際ビジネスに関心のある学生、アジア・中東に興味のある学生

⑺ 開発経済、国際経済、マーケティング、生化学系学部の研究者

目次(後に詳細目次あり)

第1章 ハラルとハラル制度

第2章 ハラル制度の基本    

第3章 食品以外のハラル制度 

第4章 ハラル制度をめぐるトラブル

第5章 ハラル制度の宗教性

第6章 ハラル制度と科学

第7章 ハラル制度の法的側面

第8章 ハラル制度と国際経済

第9章 ハラル制度の変化

第10章 海外のイスラム市場開発

第11章 国内のイスラム市場開発

 

内容

国際規模で拡大するイスラム市場であるが、日本でもハラル製品への対応が急務である。それにはハラル制度の仕組みを知るだけでなく、商品化から製造・販売にいたるまで、宗教、法律、科学技術との関係を理解したうえでビジネスを進める必要がある。本書はそれに応えるべくマニュアル本でもある

概要

本書は、3つの機能を持っている。

 1.ハラル制度、ハラル製品をわかりやすく説明した標準的な解説書

 2.企業がイスラム市場に参入するための情報・ノウハウを網羅したビジネス書

 3.ハラルに関する理論を展開した学術書

 ハラルを正確に理解すれば、中東のみならず、東南アジア、南アジア、アフリカなど、急成長する巨大イスラム市場で、大きな先行者利益を手にすることができる。

 ハラルに関する誤解は数多い。意外な事実を6つだけ紹介する。

 ⑴ 中東にはハラル制度がない。

 ⑵ ハラル認証がなくてもイスラム市場に参入できる。

 ⑶ ハラル制度を成文化してはならない。

 ⑷ ハラルの事案で大企業の日本人が逮捕されたことがある

 ⑸ ハラルの国際論争で貿易が止まったことがある。

 ⑹ ハラルの概念は、化粧品、医薬品、家庭用品、ホテルにも適用される。

 イスラム教徒は世界に18億人、その食品市場の規模は100兆円程度に達している。しかも、イスラム諸国の経済は、年率10%近いスピードで成長しているため、その食品市場は毎年数兆円ずつ増加している。国内でも、イスラム教徒の観光客だけでなく、イスラム諸国からの来日ビジネマンが増加している。

 しかし、イスラム市場には、イスラム教に基づく規格「ハラル制度」という一見不可解な参入障壁が存在し、市場参入を阻んできた。ハラル制度とは、イスラム教徒の忌避する豚成分、アルコールなどを含まない食品・化粧品・医薬品・家庭用品の規格を定めて、不適合品の生産・流通・販売を制限する制度である。ハラル制度は、外形上は、シンプルで、クリアするのが容易に見える。しかし、ハラルという概念は、宗教性が強く、非科学的な要素があり、西欧的な法令解釈や技術思想では理解が難しい。現実に、ハラルというものを安易に考えて、抜き差しならぬ大きなトラブルに発展した例は、世界中に数多い。海外、国内を問わず、イスラム市場に参入し、イスラム教徒の信頼を得てビジネスを続けるためには、ハラルについての正確な理解が必要である。

 本書は、これまでの筆者のハラルに関する研究・調査の集大成でもある。本書は、これまで出版してきた書籍、学会誌や経済誌に寄稿した論文・解説をベースに、新しい制度・知見・情報を追加し、理論的な説明を加えている。

 本書は、読者にとってのわかりやすさに重点を置いているので、宗教的な用語は極力避けており、宗教的な厳密さにも目をつぶっていることを、お断りしておく。

(「まえがき」より)

詳細目次

まえがき

用語集

第1章 ハラルとハラル制度

第1節 ハラル

1.ハラルとは

2.ナジスの概念

3.ハラルの法源

第2節 ハラル制度

1.ハラル制度とは

2.ハラル制度の法源

第3節 宗教と食の禁忌

第2章 ハラル制度の基本

第1節 食品のハラル制度

1.食品の制度の総則性

2.ハラル食品とは

3.原則

4.認証の対象

5.経営管理

6.食品衛生

7.食材

8.製造工場

9.輸送・保管・陳列・販売・調理

10.包装・表示

第2節 詳細規定

1.アルコールの規定

2.派生物

3.中間投入物

第3節 ハラル認証

1.認証プロセス

2.認証の内容

3.認証機関

4.認証マーク

5.認証後の検査と違反

第3章 食品以外のハラル制度

第1節 食肉処理のハラル制度

1.食肉処理の原則と特殊性

2.食肉処理の方法

3.食肉処理の難しさ

第2節 食品以外の物のハラル制度

1.化粧品・パーソナルケア製品のハラル制度

2.医薬品のハラル制度

3.包装のハラル制度

4.化学品のハラル制度

第3節 サービス産業のハラル制度

1.レストランのハラル制度

2.観光サービスのハラル制度

3.輸送のハラル制度

4.ハラル工業団地

5.イスラム金融

第4章 ハラル制度をめぐるトラブル

第1節 加工食品のトラブル

1.インドネシア味の素事案

2.マレーシア・チョコレート事案

3.UAE醤油事案

4.その他

第2節 食肉のトラブル

1.生体牛輸出禁止事案

2.佐賀牛事案

3.デンマーク食肉規制問題

第5章 ハラル制度の宗教性

第1節 制度内容の宗教性

1.ハラル制度は宗教か

2.禁止食材の理由

3.イスラム教徒の必置

4.宗教行為

第2節 制度構成の宗教性

1.本質的な宗教性

2.宗教機関の判断

3.非成文性・非公表性

第6章 ハラル制度と科学

第1節 ハラル制度の科学性

1.原則の科学性

2.倫理的要素

3.心理的要素

4.産業技術との関係

第2節 ハラル制度と技術開発

1.技術開発の項目

2.技術開発の例

第7章 ハラル制度の法的側面

第1節 ハラル制度の法形式

1.法形式

2.非体系性

3.不明確性

4.法令上の上下関係

5.インドネシア・ハラル製品保障法

第2節 ハラル制度の法的な性格

1.任意性

2.義務、強制のツール

3.責任

第8章 ハラル制度と国際経済

第1節 ハラル制度の国際性

1.国際的不整合

2.制度の地域性

3.消費者意識の地域性

4.国際規格

5.公認制度

6.制度の互換性の欠如

第2節 ハラル制度と食肉貿易

1.食肉処理・貿易手続きの共通性

2.ハラル認証の強制

3.食肉の貿易手続きの錯綜

4.オーストラリアの政府管掌ハラル制度

第3節 ハラル制度と自由貿易

1.非関税障壁か?

2.外国貿易障害報告

3.TBT条約との関係の概要

4.ハラル制度の投資誘致効果

第9章 ハラル制度の変化

第1節 ハラル制度の変化とは

第2節 変化の要因

第10章 海外のイスラム市場開発

第1節 ハラルブームの背景

1.ハラルブームの構図

2.国内食品産業の状況

3.農林水産物食品輸出促進政策

第2節 海外イスラム市場

1.巨大な人口

2.経済成長、豊かになる国民

3.市場規模

4.未開発の市場 

5.イスラム市場の限界

第3節 海外イスラム市場開発の成功事例

1.味の素

2.敷島製パン

3.大塚製薬

4.ヤクルト

5.キューピー

6.資生堂

7.海外企業:ネスレ

第4節 海外イスラム市場開発

1.海外イスラム市場開発の方法

2.市場開発とハラル認証の関係

3.ハラル認証≠市場開発

4.市場開発の躊躇(ちゅうちょ)

5.日本政府の政策

第11章 国内のイスラム市場開発

第1節 国内イスラム市場

1.国内市場の動向

2.市場規模

3.経済のグローバル化

4.外国人労働者の増加

5.留学生の増加

6.観光客の増加、東京五輪

第2節 国内イスラム市場開発

1.来日イスラム教徒の食生活

2.ハラルの確保の難しさ

3.認証団体の乱立

4.国内でのハラル対応の今後

参考文献

16社協賛

出会った本はみな新刊だ!

専門書販売研究会は、2000年に人文・社会科学の専門書を発行している版元の4人の発起人によって「4社の会」として発足しました。小社の代表取締役である上野もその一人です。近年の、市場環境の変化は、専門書販売にとって厳しいものになりました。しかし長年研究を重ね出版された研究書・著作をうずもれさせてしまっては社会的損失と思い、「はじめてあった本は、いつも新刊」として読者へ・研究者へ・図書館へ書籍情報を発信することにしました。会員も増え「専門書販売研究会」と名称を変え、分野も多彩になり哲学・歴史・経済・農業・芸術まで網羅した会となりました。現在は16社で専門書の販売のための研究・情報を共有する活動をしております。
 これからも、コンセプト「はじめてあった本は、みな新刊」のもとに、日ごろ目にすることのない既刊書の再チャレンジを目指し、「こんな本もあったんだ」と言っていただけるように読者との出会いを目指します。​

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